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EOS R7 情報まとめ for 鳥撮り

さて、いよいよあと2週間程度でEOS R7が発売となります。
おおむね準備は整ったので、野鳥撮影に関係するR7情報をまとめたいと思います。

センサー、画素数

3250万画素 6960×4640ピクセル。これはレフ機でいうと90Dと同等。
精密度でいうと、フルサイズセンサーなら8000万画素相当になります。
(8000万画素フルサイズセンサーをAPS-Cクロップすると3250万画素程度ということ)。

EOS R7の3250万画素センサーは、市場にあるどのAPS-C機よりも高い解像度を誇る。このセンサーは90DやM6 Mark II のセンサーがベースで、完全に新規のセンサーではないが、配線層やマイクロレンズが最適化され、読み出しが改善されている。

DigitalCameraWorldのレビュー (デジカメinfo訳)

・ISO3200まで感度を落とすとディテールが大幅に良好になる
・ISO1600の等倍でシャドウに僅かな輝度ノイズが発生するが解像度は良好

Camerajabberレビュー

何度か貼っていますが以下が同解像度の90Dの写真。


Canon EOS 90D 840mm ƒ/5.6 1/250s 800 

以前1DX2と90Dで撮っていましたがこの辺りの解像感は90Dじゃないと無理でした。
最短撮影距離が短いレンズで近寄れればもちろんもっと細かく撮れますが、野鳥はおおむね500~800mmくらいのレンズで5m~15mで撮ることになると思いますのでその場合のお話です。

ISOに関してはEOS 7D2の時代は私はISO800くらいまでかなと思っていましたが、最近はISO1600くらいまでは許容できる感じかなと思います。

これは別にR5になったからといってそんなに上がるわけではなく、トリミング前提の野鳥撮影ではフルサイズだろうが関係なくおおむねISO1600~3200くらいまでです。

たまに「フルサイズは高感度に強い」という変なことをいう人いますけど、実際のところは「フルサイズセンサーは精密度を捨てて高感度耐性を優先している」というのが正しい。

精密な写真を撮りたい人にとっては、別にAPS-Cだろうがフルサイズだろうが変わりません。
R5は野鳥ではほぼAPS-Cクロップ前提なのでAPS-C 1700万画素カメラと同義です。

R7はAPS-C 3250万画素で、精密になればなるほど1画素あたりのセンサー受光面積は小さくなりますので、そりゃ高感度に弱くなるよという話です。

精密さと高感度耐性や色乗りなんかを天秤にかけてるだけですね。
野鳥の場合は多くの場合、高感度耐性や色乗りより精密さの方が優先されます。
(実際により精密な写真の方がSNSなどでイイネがつく数ははるかに多いです)

連写、プリ撮影

高速連続撮影+ :最高約15コマ/秒 (メカシャッター/電子先幕)
最高約30コマ/秒 (電子シャッター)

Canon R7仕様

連写性能についてはCanonの仕様のままですが、

この動画でも解説してくれている通り、電子シャッター時のローリングシャッターの歪みが非常に大きいのでRAWバーストモードでのプリ撮影はおまけ程度に考えた方がよさそうです。

電子シャッター30コマの時はRAWのカラービット数も12bitに下がるようですので、基本的にはメカシャッター15コマで使うことになるのではないでしょうか?(メカ15コマは14bit)

あと、ローリングシャッター歪みが小さいメカシャッターで15コマいけるということ自体が結構すごいことだったりします(フラグシップの1DX3で16コマです)。

59枚分のバッファを持っているR7では、約4秒~5秒間の連写が可能になります。

正直4秒って短いようでかなり長いので、おおむね問題はないのではないかと思います。
カワセミのダイブなんて1,2秒ですしね。

AF性能

初動、突発

電子シャッター撮影時も含め、ブラックアウトフリー連写ではないため、横方向に動く被写体を的確にフレーミングし続けるのは少し難しいのと、AF演算周期も「EOS R3」よりも間隔が長いので、動きの変化が大きな被写体に対する反応が少し遅く感じるケースもあるが、積層センサーを搭載していないカメラのなかでは、かなり優秀なAF&連写性能だ。

CAPA Camera WEB

ここにある通りで、R7はソフトウェアではR3と同じアルゴリズムを使っているものの、そもそもセンサーからの読み取り速度がR3より遅いためR3のAF演算周期よりは間隔が長い。

つまり、カワセミなど瞬時に飛び込むような被写体ではR3ほどの性能は発揮できない
そもそもR3は現状のミラーレスフラグシップ機で67万円くらいのボディなので比較するのは酷です。

APS-Cで高解像度なR7は「画像認識」がR3やR5よりもより正確になる可能性があってそのあたりでカバーしてくれる可能性もあるので期待したいところ。

被写体認識、トラッキング

「EOS R7」で野鳥を追尾している様子を記録した動画を掲載するが、素早く移動する被写体にしっかりと反応できていることと、障害物がある状況でも被写体をとらえて離さないことがわかるはずだ。

「EOS R7」のAFは「EOS R3」に匹敵する性能なのは間違いなく、かなりハイレベル。2022年6月時点ではAPS-Cミラーレスとして最高性能と言っても過言ではない。

価格.comマガジン

被写体認識やトラッキングは現在はどちらかというとソフトウェアの話なので、R3のアルゴリズムを受け継いでいるR7は当然強い。これに関してはかなり期待。

また重要なのはトラッキングへの入り方。

撮影していて秀逸と感じたのがAFのトラッキング(追尾)性能の高さだ。人物や動物、レーシングカーなどの被写体認識時はもちろんだが、SERVO(AF-C)の場合は一度測距点で捕捉すれば、その後に被写体もしくはカメラを動かしても自動的に追尾し続けてくれる。

ONE SHOT(AF-S)の場合は「トラッキングON/OFF」機能を使えば、即座にトラッキングAFに切換られる。

例えば街中のスナップでも、まずはピントを被写体に合わせ、その後トラッキングAFを開始して構図を決めるという撮り方が可能だ。今までは指先で測距点を移動していたが、迅速に撮影をしたいならトラッキングAFのほうが有利である。トラッキングAFは最近の流行だが、上位モデル「EOS R3」から受け継いだAF性能は他よりワンランク上の精度である。

ASCII.jp

R5は顔追尾優先AFでのみトラッキングできるが、これは「全エリアAF」でのみトラッキング可能ということ。一応スタートのエリアだけは選べるものの、ほぼフレーム全体から被写体を常に探しているようなイメージで、本当にフレームに大きく野鳥が入っていないとピントは大きく外れてしまう。

R3やR7の場合は、「中央1点」や「ゾーン」などでAFエリアを指定し、そこで被写体を検出したらその「動体」がトラッキングされて、その「動体」に対して野鳥の顔や胴体、瞳の画像認識が行われるようなイメージ。

これは私が感動したSONY α1のAFと同様のもので、もう野鳥撮影のやり方が根本から変わるゲームチェンジャー的な機能です。

これはぜひ期待したいですね。

ミラーレスAFの罠が軽減されるかも?

以下のサイトが非常にわかりやすくミラーレスAFの罠の説明をしてくれています。

極端に大きくボケている場合、AFセンサー用の画素の範囲を超えてしまって、像面位相差でのAFができなくなるといったことが起こりえます。

なので、大きくボケていて、像面位相差でうまくAFが効かないといったときは、MFでちょっと像が見えるぐらいまで手助けしてあげると、すっとピントがあったりします。この辺りが一眼レフの位相差検出式との、使っていて感じやすい違いになります。

アンタレスのデジカメ部屋

さらに根本的に現在のデュアルピクセルCMOSでの像面位相差AFは、ラインセンサー、つまり水平方向のAFセンサーです。レフ機では明るいレンズでクロスセンサーを使うことができたため、非常に高速で精度の高いAFを実現していましたが「現在はまだミラーレス機ではレフ機のような高速で正確なピント合わせは不可能」です。

とはいえ、いまからレフ機に戻るのか?と言われるとそれはそれでありえない話です。
これ以外ではミラーレス機はレフ機を圧倒する性能をもっているためです。

ではどうすれば良いか?

ピント合わせのサポートにトラッキングや画像認識を利用する

というのが現状では有効な方法ではないかと考えています。

AFエリアで指定した場所に正確に合わせるのは現状は難しい。ですが、「そこに被写体がいることがわかっていれば、それにピントを合わせるのは容易になる」ということです。

トラッキングや画像認識で被写体の場所が特定できれば格段にピント合わせは容易になります。また「画像認識はある程度ぼやけた画像でも可能です。」画像認識の仕組みについては色んなサイトがありますので調べてみてください。AISIA-AD

今回R7では動物の「胴体」も画像認識することができます。これにより、まだ完全にピントが合っていない状態の鳥の胴体にもピントが合います。

サーチ駆動中にこれが有効であれば「少しボケてるけどそこに鳥がいるのはわかる」ため、まるでそこに何もいないかのように背景にピントが抜けてしまうこともなく、ミラーレスAFの罠は大きく解消するのではないかととても期待している次第です。

AF/MFスイッチの謎

この動画でふれられていましたが、「ボディのAF/MFスイッチよりレンズのAF/MFスイッチの方が優先」 らしいです。

これ、本当だったらかなりやばいというか全く意味のないスイッチになってしまうのでレビュー機だからだと思いたいですね。

AF/MFスイッチがあるレンズをつけたら、ボディでMFにしてもレンズがAFならMFにならないということなので謎スイッチに。ミラーレスAFの罠にハマった時にMFする際に使えるかなと期待してるんで頼みますCanonさん…。

まとめ

野鳥撮影時に気になるところはこんなところでしょうか。

AF演算周期がどの程度なのかがちょっと気になりますが、動画をみてるとR5のようにちょっと遅れて被写体を追尾している感覚も薄いですし、大外しすることもないように見えますので大丈夫そうではあります。

あとボディの質感が~とかそういうのはでてくる写真には関係ないので、私はどうでもいいです 🙂
7の系譜が~とか言う方も多いですが本気でどうでもいいですね。

一応7Dや7D2も使っていましたがそこまで良い印象はなく、どちらかというと7Dや7D2を使うなら精密度が低くても1DX2を使った方が良いと思った方でしたので…。
7D、7D2も悪くはなかったのですがレフ機は1D系のAF性能が圧倒的だったように思います。

あとミラーレスになってからボディが少し小さい&もろい感じがしてSmallRigのケージやブラケットをつけていますので、ボディのつくりってあまり気にならないですね。

SmallRig Canon R7 4003

さて、いよいよあと1~2週間ほどでEOS R7発売です。
楽しみに待ちましょう 🙂

 

 

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