さて、とうとう2023年です。
2022年は鳥撮りに復帰して、丁度カメラ業界がミラーレス移行まっさかりで、
頻繁に装備を買い替えながら色々試していた出費と検証の年でした。
それぞれ使ってみた所見と、2022年のベスト装備を紹介したいと思います。
あとは、2022年のベストショット、2022年のCanon、2023年のCanon、私の抱負についてなんぞを。
2022年 ベストショット
とまりもの
ヤマセミ。
なんかこの写真、2羽が未来に向かっているようで好きです 🙂
しかし何故、同じ向き、同じポーズ、同じ表情…。
何度かこの場所には通ってますが、2羽がこんな感じで並んでとまっていてくれたのは、これが最初で最後です。
野鳥撮影は一期一会だなぁ…と常々思います。
飛びもの
飛びもの自体はあまり撮らないのですが、オオワシ。
飛来の記事を読んで次の週末に天気が良かったので撮りに行ったのですが、その次の週から雪…。
秋晴れの空で、タイミングよく撮れた1枚になります。
飛び込み
今年の終盤はカワセミづくしだった気がします。
カワセミ撮影はこれまで適当にやってきましたが、今年はしっかり原理というか色々考えて練習。
ようやく精細に、かつ良い感じで止められた1枚。
ただ歩留まりは酷いものがあるのと、解像度的にまだまだなので今年でモノにしたいなと。
2022年に購入したボディ
ベストボディ
Canon EOS R7
EOS R7はCanonに野鳥撮影に適したミラーレスボディがない中で発売された、期待のAPS-Cボディ。
17万円~18万円と近年のボディの中では飛びぬけて安価。レンズを選ぶため人によって評価は大きく違いますが、超望遠単焦点レンズを使えば間違いなく最高ボディです。
EOS 7D mark II時代でも結局レンズにお金をかけないと綺麗な写真は撮れなかったので、そこは一緒ですね。APS-C 3250万画素はフルサイズ8320万画素とほぼ同様の精細さですので、その1点だけで唯一無二。
そのうえで強力な手振れ補正やR3譲りのトラッキングAFなど、野鳥撮影に必要な機能が満載でした。欠点はセンサー読み出しスピードの遅さで、それ起因のローリングシャッターの歪みやAF演算周期の遅さなど。
これらはぜひEOS R7 mark IIで積層センサーにするなどして改良してほしいものです。カワセミの飛び込みなど高速な被写体を撮るのと、暗い場所でISOを上げて撮るのが苦手ですが、
それ以外では非常に優秀で、野鳥撮影ではメイカー問わずオススメしたい安価な高性能ボディです。
その他のボディ
SONY α7R IV | 高画素で精細に撮れるものの、AFや連写はかなりひどかった。あとハングアップが非常に多い。 野鳥撮影ではとまりものなら問題ないものの、ちょこまか動く鳥は少し厳しかった。 |
SONY α1 | 総合性能的には文句なしにNo.1。 5000万画素、30コマ連写、電子シャッター歪みほぼなし、トラッキングと鳥認識、瞳AFなどが全て合わさったときにどれだけ動物を撮影しやすくなるかを初めて味わったボディ。 ただ、フラグシップの割に筐体がα7R IVと同じなのはちょっと残念。 |
Canon EOS R5 | α1から移って、野鳥撮影ではAFがかなり厳しかった。ストレスで発狂寸前に。 写り自体は悪くないですが、とにかくピントが合わない。 R5 mark IIではR6 mark IIと同様のAFを積んでくると思うので期待。 |
Canon EOS-1D X mark II | 1DX系で果たしてカワセミを撮れるのか検証するために一瞬だけ使用。 1DX2自体は数年前に使っていたので特に新しさはありませんでしたが、今でも十分に動体撮影の高性能機です。 |
★Canon EOS-1D X mark III | Canonの現フラグシップボディ。おそらく一眼レフ最後のボディになるはず。 高ISO耐性と反応の良いAFは、今でも動体撮影では最上位のボディです。 古いEFレンズで動体撮影するならばこのボディで。 |
※★は現在使っている装備です。
2022年 購入レンズ
ベストレンズ
Canon EF400mm F4 DO IS II USM
EOS R7と組み合わせることで、APS-C 3250万画素 35mm換算640mm F4になるスーパーレンズ。
R7以外では400mmは若干解像度が足りないのですが、R7とならば最高の散策装備となります。そういう意味では、EOS R7の登場で使えるようになったレンズ。
気楽に持ち歩ける3250万画素 640mm F4装備と考えると本当に凄いですね。
解像力は圧巻で、MTFチャート的には400mmではあるもののロクヨンと同等の性能があります。
さらに重量は2kgということでEOS R7とあわせても2.6kg~2.7kg程度。比較的新しいレンズですので、EOS Rシリーズの最高連写速度にも対応していて、
AFも非常にシャキシャキ動くレンズです。こちらはすでにディスコンですので、中古を手に入れるしかありませんが
修理対応期限は2029年ですのでそういう意味では安心して使えます。もちろん、コンパクトなRF500mm F4L IS USMが発売されるような噂がありますし、
先何年もEOS R7との組み合わせで最高の散策装備であり続けるかはわかりませんが、
現時点では散策中心な方にはEOS R7とセットで超オススメなレンズです。
その他のレンズ
SONY FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS | 価格と写りから考えるととてもコスパが良かった。やはり野鳥撮影は600mmが便利。 ただ暗いのと、解像力はズームレンズの域を出なかった。 α1と組み合わせるなら非常にバランスの良い野鳥撮影装備ですが、α1が非常に高価なので合計金額は100万円近くいってしまいます。 |
Canon RF600mm F4L IS USM | EF600mm F4L IS III USMにRFアダプタが内蔵されたようなレンズ。 光学系は完全にEF600mm F4L IS III USMと一緒で、RFのラインナップを早期に拡充するためにCanonが急いで発売したロクヨンです。 良いレンズですが、案外II型が早めに登場するのかな?という印象アリ。 |
Canon RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM | 暗いものの、軽く、解像力も高め。 500mmで1.4kg程度という重量はかなり凄い。 超コンパクトに済ませたいならEOS R7とこのレンズで。 |
EF400mm F5.6L USM | 往年の名レンズ。未だに使えるのはすごい。安い、軽い、解像度もそこそこ。手ブレ補正がないのでそこは注意。 |
Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM | 非常に暗いものの、非常に軽く、解像力はそれなり。 本当に散歩でちょっと撮る程度なら十分ではあります。 |
★Canon EF800mm F5.6L IS USM | 少し前のフラグシップレンズ。焦点距離と解像力はほぼ最高性能。 EOS R7で使うと遠くの小鳥でも余裕で超解像。ただし4.5kgという超重量。 古いレンズなのでEOS-Rシリーズで最高連写可能なレンズに含まれてないのが惜しすぎる。 じっくり遠くの小鳥や猛禽類などを撮影するだけならこのレンズが間違いなくベスト。 RFマウントへの切り替えで玉数も出てますし、お値段も安いのでチャンスではあります。 |
★Canon EF600mm F4L IS II USM | Canonのロクヨンの中では最も高画質なレンズ。 特にExtenderをつけた際の画質劣化がIII型やRFロクヨンより格段に小さい。 それでいてEOS Rシリーズで最高連写可能なレンズに含まれているので愛用者多数。 4kgと今では重い。修理対応が2025年2月までなのが惜しい。 大砲レンズの扱いに長けていて、壊さない自信があればオススメ。 RFマウントへの切り替えで玉数も出てますし、お値段も安いのでチャンスではあります。 |
※★は現在使っている装備です。
Canon 野鳥撮影 2022年総括、2023年予想
2022年のCanon
Canonの野鳥撮影における2022年は、EOS R7が発売されたのがとにかく大きかった。
これまでCanonのミラーレスは野鳥撮影に適したボディがなく、SONYにどんどんユーザーが流れていましたがようやく踏みとどまったかな?という感じ。
EOS R7はカワセミ撮影では厳しいですが、それ以外のシーンではレンズさえしっかりしたものを使えば最高の性能を発揮してくれます。
一眼レフ時代でも同じ画素数のセンサーの90Dでちゃんと撮れば綺麗でしたが、どうしてもAFや手振れ補正がおいついていなかった所を、EOS R7では一気に実用的になった感じ。
そして、何より安価で気楽に購入できるのもGoodですね。
EOS R3はもちろんAF性能や連写性能などは非常に良いのですが、解像力が低いという1点で野鳥撮影には向いていません。
ただし、高感度耐性が高いので暗所での撮影やカワセミ撮影などのタイトな環境では有用なボディ。
2022年時点ではEOS R7とEOS R3の2台持ちで、シーンによって使い分けるという使い方がベターなように思います。
EOS-1D X IIとEOS 7D mark IIの2台を持ち歩いていたころを彷彿させますが…。
2023年のCanon
おそらく誰もが2024年にEOS R1が登場する事を予測しているので、2023年は凪いだ年になるんじゃないかなと思ってます。
おそらくEOS R8あたりの安価なAPS-C機、あとは順当にAFが進化したEOS R5 mark IIあたりかなと。
EOS R5 mark IIも、EOS R6 mark IIがあの価格で積層型センサーを積んでこなかったので、おそらく積んできません。
EOS R6 mark IIが高画素になってビルドクォリティが高いものになるんじゃないかな?と。
後ろにEOS R1が控えていて、それを購入しようと手ぐすね引いて待っている人たちが非常に多いと思いますので、R1は争奪戦になるんじゃないかなと思ってます。
EOS R3の中古が山のように出てきて現在のEOS R6状態になると思うので、本来はEOS R3はそのあたりが買い時ですw
また、CanonはデュアルピクセルCMOSによる像面位相差AFという、他社ではみられないAFを採用しているため、今後じわじわとCanonのAFの方が有利な場面が増えていくと思われます。
まだ高価なEFレンズを所有している人も多いと思いますので、EOS-R1の性能次第では一気に覆ってCanon一色になる可能性もワンチャンあるかもですね。
グローバルシャッター、8000万画素、クアッドピクセルCMOSセンサーあたりがくると完全にゲームチェンジャーになりそうです(ないでしょうけど)。
まぁ、今は野鳥撮影はぶっちゃけSONY α1 + ロクヨンが最高すぎる気がするんですけどねw
ただEOS-R1、高いでしょうけどEF600mm F4L IS II USMあたりと合わせて使うなら、α1 + ロクヨンと比べると遥かに安いんですよねw
私の2022年の総括、2023年の抱負
2022年総括
2022年は、仕事が一段落して久しぶりに野鳥撮影に復帰しました。
カメラ業界はミラーレス移行で騒がしい中、お金もかなり使いましたがCanonのボディやレンズを使いつくして検証して、知見をためた年でした。
「本腰を入れてスキルを磨いたり数撮るのは、最良の装備をそろえてから」にしないと最終的に時間もお金も無駄になると思っているので、先10~20年は変わらないであろうミラーレス機のボディの特徴についてかなり調査、検証しました。
レンズも以前は絶対買えなかったようなEFレンズが信じられない値段で買える時代になったので、手あたり次第レンタル気分で購入/売却して使ってみたので、ほぼ全レンズの性能は把握できたんじゃないかと思います。
また、カワセミ撮影に思ったよりハマってしまって機材購入スケジュールが大幅に狂いました 😛
どう頑張ってもEOS R7での撮影が厳しかったので、EOS-1D X mark II/IIIを使ってカワセミ撮影修行を開始、結果としてEOS R7で歩留まりを高めるのがどうも難しいのがわかったので、やはり当面はEOS-1D X mark IIIとの2台体制が良いかなという所に行きつきました。
どうしても野鳥撮影は明るい時と暗い時で使い分けが必要になるシーンが多いので、α1のようにどちらも対応できる中間性能のボディを撮るか、EOS R7とR3のように両方に振り切るかどちらかの選択になる気がしますね。
私は2台あった方が便利なシーンも多いので、EOS R7、EOS-1DX mark III、EF400mm F4 DO IS II USM、EF600mm F4L IS II USM、EF800mm F5.6L IS USMを組み替えたり独立して2装備同時使用したりしていきたいなと思ってます。
ここまで野鳥撮影にフォーカスした年はなかったので楽しかったです 🙂
2023年抱負
装備
今年は、基本的には装備に出費はしないでおこうと思ってます。
下取交換で装備は整えますが。
「沢山の装備を買い替えて凄いお金つかってるな~」と思われている方も多いと思いますが、実はそうでもありません。
メインで使っているボディが安価なEOS R7というのが大きいですね。
RF600mm F4L IS USMはもちろん高かったですが、そこから崩してEF400mm F4 DO IS II USMやEF800mm F5.6L IS USMを下取交換、プラスでEOS-1D X mark IIIを購入したくらいでしょうか。
今は一時的に EF600mm F4L IS II USM と EF800mm F5.6L IS USM を所持して比較検証していますが、大砲2台抱えて使いこなすほどの体力も経済力もありませんので、可能ならどちらかは売却する予定。
EOS R1もR7と1DX3の両方を完全に凌駕する性能じゃなければ、すぐには購入しません。
具体的には8000万画素以上、グローバルシャッター、クアッドピクセルCMOSあたりですね。
SPADはまだまだ来ないでしょうし。
特に画素数が8000万画素以下の場合、結局EOS R7と2台持ちになってカワセミにしか使わないボディになるので。
それほどまでにEOS R7の解像力はすさまじいものがあります。
撮影
2023年は撮影の年
去年は装備にお金をかけすぎたのと、検証に時間をかけすぎたのとでいろんな場所に行けませんでしたので、2023年は撮る方に時間とお金をかけていきたいと思います。
舳倉島あたりで何日か泊まって撮りたいですし、随分行っていない戸隠神社や岡山、鳥取、可能なら北海道や沖縄でも撮影したいですね。
去年は結局アカショウビンも撮れませんでしたので、今年はなんとしてでもw
カワセミは歩留まり9割以上で高解像で撮れるのが当たり前という状態になるまでやるつもりです。
たぶん、それができれば野鳥撮影においてはどんな被写体でもほぼ対応できると思いますので。
では、今年も頑張っていきましょう。