はい、もうそろそろ秋になって鳥たちが動き始めてますが、まだ少しかかりそうなので最近わかったRAW現像のTIPSなんぞを。

DxO PureRAW3 強制終了時の対処

何度かアップデート通知を無視してたのですが、久々にアップデートするかな~と思ってアップデート。

Windows バージョン 3.5.0.19....で、いきなり問題発生。

ソフトウェア起動後少しするとWindowsがブルースクリーンで強制終了。



まぁ...こういうのは本職の方でも見慣れたヤツなので、どうせnVidiaのドライバ更新が必要なんだろうなと思って更新。


何事もなかったかのように直りました。


Windowsがブルーバックスクリーンで落ちる場合ってハードウェアの制御レイヤーで異常が発生した場合が多いので、ドライバ系を疑った方が良いです。


さらにひどい場合はブルーバックすら出ずにPCの電源がプチっと切れたりします。

現像用PCの選び方

デスクトップPCとノートPC

デスクトップPCでGPUを積めればそりゃ良いですが、大きい、高い、壊れやすいので、私としては写真現像くらいならゲーミングノートPCなんかはお勧めです。


ゲーミングノートPCは当然ですがGPUは良いものを積んでいることが多いのと、なぜかビジネス用よりコスパが良いものが多いです。


デスクトップPCってそもそも持ち運び前提ではないので冷却ファンが大きかったり、デバイスの相性があったりで問題が起こりやすいですね。


またノートPCは遠征にも持っていけるので、出先でカメラからファイルを抜き取ったり現像できます。


もちろんデスクトップPCの方が圧倒的に速いので毎日数千枚のファイルを扱う場合はデスクトップPCをオススメしますが、週末に100~200枚程度を現像するならノートPCで十分ですね。

ソフトウェアのGPU対応

気を付けてほしいのはソフトウェアがGPUに対応している場合のみ、GPUを積んだPCでスピードの向上が見込めるという点。


私が使っているものを中心に対応状況を挙げてみます。

CaptureOne

QUESTION

What does Hardware Acceleration do and how do I use it in Capture One?

ANSWER

Optimal speed through Hardware Acceleration /GPU

Hardware Acceleration is provided in Capture One through two different technologies:

・OpenCL

・Metal (Apple M1 machines only)

これは有名な話?ですが、CaptureOneはGPUをかなり積極的につかった現像ソフトウェアです。


ですので、高価なGPUを積むほど高速化が見込めます。


Lightroomやその他いろいろ使いましたが、いまのところCaptureOneが断トツで快適ですね。

DxO PureRAW3

DeepPRIME は、Windows 上でも macOS 上でも、GPU に完全に最適化されています。

DxO PureRAW3もGPUを積極的に使っていますのでこちらも同様。


私の現像の過程では最も時間がかかる部分ですので、このためにPCを新調しても良いかなと思ってるくらい。

Adobe Photoshop

Photoshop は、システム内のグラフィックプロセッサーを活用して、シームレスな操作性を実現し、多くの機能のパフォーマンスを向上させています。

Photoshopは...どうでしょうね?


スーパー解像度では恩恵はありそうですが、Photoshop自体のフィルタ処理はGPUにそんなに依存してないような気がします。


Photoshopはかなり古くからあるソフトウェアですので、過去と均一な成果物を得るためにはGPUでの最適化は結構大変な気がします。


まぁそれでも頑張ってできるところはGPU対応していってるんでしょうね。

Digital Photo Professional

- プレビュー用の画像処理にグラフィックスプロセッサー (GPU) を利用して表示速度を向上しました。変換保存および印刷については従来通りCPU処理となります。

で、注意なのはCanonのDigital Photo Professionalを使っている方。


潔くプレビューでのみGPU使ってるって書いてますが、私の感覚では本当にプレビューでGPU使ってる?と言いたくなるくらいには遅いです。


あとそもそもスレッド処理など並列的な処理の書き方の効率が悪いのか、リスト表示も遅いですし、よく強制終了します。


DPPを使っていると、この部分のコードを書き換えてあげたい気分になります。


DPPについては良いGPU積もうがあまり恩恵がありませんので、PCを新調しても残念なことになるため注意。


多いのは...「DPPが遅いから速いPCに買い替える」という人ですが、ほぼ残念な結果になります。


「DPPはどれだけ速いPCで使っても遅い」ので、そのお金があるならCaptureOneなりに乗り換えるのをオススメします。


※最近もうDPPは使ってませんので最近まともにGPU対応してて速くなっていたらすいません。

DxO PureRAW3とAdobeスーパー解像度の併用について

それぞれのソフトウェアが内部的にRAWファイルの画素数をどう扱っているかはわかりませんので、どうしてこういう症状がでるのかは正確にはわかりませんが、以下のような問題が起きます。


CR3ファイル → DxO PureRAW3 → Adobe スーパー解像度 → CaptureOne では一応正常に現像できます。


CR3ファイル → Adobe スーパー解像度 → DxO PureRAW3 → CaptureOne の場合、スーパー解像度で縦横倍になった画素数が、PureRAWを通した時点で元の画素数に戻ってしまいます。


正常にファイル自体は生成されるのでスーパー解像度時点で少し怪しいRAWファイルになっているか、PureRAW3がボディ情報など別の情報をみて画素数を判断してしまっているか。


dngファイル自体がAdobeが作ったフォーマットですので、恐らくPureRAW3側の処理がこのパターンを考慮してないんだろうなとは思います。


何かしら逃げ道はありそうですが、この一連の処理は自動化してあとは待つだけ...という風にしないとしんどいため、よほどの珍鳥写真を救う時以外は特別な事はしません :P

Adobeスーパー解像度のメリデメ

Adobeスーパー解像度については、「使わない方が良い場合」も多くあります。


私は最後にCaptureOneでPureRAWだけのものとAdobeスーパー解像度までかけたものを見て判断しています。


スーパー解像度を使った方が良いシチュエーションですが「被写体の画素数が期待よりちょっと少ない時」です。


EOS-1D X mark IIIで少し遠くの被写体を撮影したときや、EOS R7でかなり遠くの被写体を撮影したときですね。


そういった写真を「クローズアップしたいとき」に良い場合が多いです。


ただ、被写体の画素数が少なすぎる時は逆効果になりますので「ちょっと」画素数が足りないというときに有効です。


私の場合は「EOS-1D X mark IIIで距離20mのカワセミを撮影した場合」にかなり有効な場合が多いですね。

例1 メリット

通常
スーパー解像度
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/4000
F値
6.3
ISO
640
露出補正
-2
撮影距離
19.3m
通常
スーパー解像度
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/4000
F値
6.3
ISO
640
露出補正
-2
撮影距離
19.3m
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/4000
F値
6.3
ISO
640
露出補正
-2
撮影距離

以前挙げましたが、こういうパターンですね。


「画素数が足りなくて眠く感じる写真」に対して使うと効果が大きいですが、「そもそもピンボケしている写真」ではそこまで効果はありません。


※ただし、画素数が増える分CaptureOneでかなり強くシャープニングをかけることができるようになるので、そういう意味ではピンボケ写真を救いやすくなります。珍鳥を撮ったけどどうしてもピンボケしてしまった場合には最終手段として有効です。

例2 メリット

通常
スーパー解像度
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/4000
F値
5.6
ISO
640
露出補正
-2
撮影距離
24.2m
通常
スーパー解像度
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/4000
F値
5.6
ISO
640
露出補正
-2
撮影距離
24.2m
通常
スーパー解像度
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/4000
F値
5.6
ISO
640
露出補正
-2
撮影距離
24.2m
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/4000
F値
5.6
ISO
640
露出補正
-2
撮影距離
24.2m

こちらもですが、少しディテールが潰れてしまっているような写真をかなりシャッキリさせることができます。


カワセミはディテールがかなり細かい鳥ですので、非常に有効ですね。


また、動体撮影では綺麗さよりはシャッキリ写っていることの方が重要な場合が多いため有効なことが多いです。

例3 デメリット

機材
Canon EOS R7 + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/2000
F値
5.6
ISO
100
露出補正
0
撮影距離
81.9m

例えばこのくらいの画素数しかない写真にスーパー解像度をかけてクローズアップすると...。

明らかに羽根のところにメッシュ状のノイズが発生しているのが見てとれます。


ただ、このメッシュは等倍でみないとわからない程度のものですので、「クローズアップして等倍で見るような場合」では使わない方が良いものの、「少し引いて見る場合は解像感はアップ」していますのでこの辺りは好みで。

DxO PureRAW3 の DeepPRIME XD について

DxO PureRAWでは処理する際に、「ボディとレンズが対応していれば」Deep PRIME XDでシャープネスや収差補正などをかけるかどうかを選ぶことができます。


正直なところ大砲レンズを使っていると「ヴィネット」「色収差」「歪曲収差」に関してはDxO PureRAWでわざわざやる意味はないように思います。


ここで効果があるのは「レンズシャープネス」ですのでそれについて少し。

レンズシャープネスは、4段階から選ぶことができます.....逆に言うと、4段階からしか選ぶことができません。


シャープネスの処理は、CaptureOneでは細かく調整することができるので普段はCaptureOneの方で行うことが多いのですが、実はDxO PureRAW3側でシャープネスをかける利点があります。


例を挙げながら解説。

DxO PureRAW3なし、露出のみ補正

撮って出し
露出+3
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/200
F値
6.3
ISO
1250
露出補正
-4
撮影距離
21.5m

まず、撮って出し写真....EOS-1D X mark IIIでは距離21.5mでも解像度的にはかなり厳しい。


その上、暗くてEV-4じゃないとSSとISOを確保できなかったので真っ暗。


ヤイロチョウじゃなかったら、いちいちしっかり現像しようとも思わないのですが、せっかくなので。


DxO PureRAW3をかけずにCaptureOneで露出だけ補正しても、ちょっと作品としては厳しい画質ですね。

DxO PureRAW3あり、露出のみ補正

DxO PureRAW3なし
DxO PureRAW3あり
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/200
F値
6.3
ISO
1250
露出補正
-4
撮影距離
21.5m

DxO PureRAW3を使って露出のみ補正。


ノイズが適切に処理されて、これならなんとかブログにアップしても大丈夫そう。

DxO PureRAW3でのシャープネスなし/あり

シャープネスなし
シャープネスあり(ハード)
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/200
F値
6.3
ISO
1250
露出補正
-4
撮影距離
22.7m

わかりにくいので強めにかけたのですが、DeepPRIME XDのシャープネスありとなし。


明らかにシャープネスがかかってますね。


これなら全然アップしてOKです。

DxO PureRAW3でのシャープネスなし/あり  + CaptureOneでシャープニングやその他補正

シャープネスなし
シャープネスあり
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/200
F値
6.3
ISO
1250
露出補正
-4
撮影距離
22.7m

完全に同じシャープネスにするのは不可能なので、それなりに合わせました。

シャープネスなし
シャープネスあり
機材
Canon EOS-1D X Mark III + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/200
F値
6.3
ISO
1250
露出補正
-4
撮影距離
22.7m

比較するとわかるんですが、PureRAW3であらかじめシャープネスをかけたものの方がノイズが少ないですね。


今回はPureRAW3側でわかりやすいようにシャープネス:ハードをかけたので少しきつく感じますがそこはご容赦を。


つまりどういうことかというと、


「CaptureOneでシャープニングを行うよりもDxO RAW3でシャープネスをかけた方が綺麗な場合が多く、ノイズも少ない事が多い、ただし強さは4段階からしか選べない」


という事です。

ノイズについて

ノイズが少ないという点に関しては、当然ながらノイズ除去はPureRAW3に頼っている部分が大きいため、シャープネスで発生するノイズもPureRAW3の処理の過程で一緒に消してくれるのが理由と思われます。


PureRAW3でノイズ除去してから、ノイズの発生するCapruteOneの処理を加えるより、PureRAW3側でシャープネスをかけてノイズも除去されたRAWファイルを生成する方が当然有利ということですね。


ただ、4段階からしか選べないので普段はPureRAW側ではシャープネス処理しない、もしくは標準にしておくことが多いです。

綺麗さについて

これについては、DxO PureRAW3の方はDeepラーニングベースと思いますので「シャープネスを写真全体に一律ではなく、かけるべき部分はかけて、かけなくて良い部分はかけない」といったような事をやっていると思われます。


ですので一律にシャープネスがかかるよりは「良い感じでシャープネスがかかる」場合が多いです。


CaptureOneは写真全体に一律でかけますので、良くも悪くも「そこはシャープネスいらないんだけど...」という所でもシャープになってノイズがのったり、線が太くなったりすることが多いですね。


そのあたりは頑張ってレイヤーでマスクかけたりとか色々頑張る必要がありますが、こちらも逆に細かく調整できるので本気現像の時はCaptureOne側で頑張った方が良かったりします。

バッドノウハウ

PRIME XDなどは、DxO PureRAW3側が対応しているボディやレンズでしか使えないのですが逃げ道があります。


私はEF800mm F5.6L IS USMを使ってますが、使用者が少なすぎてDxO PureRAW3で対応してくれてないので、本来はPRIME XDは使えません。


ですが、ありがたいことに(?)、DxO PureRAW3は「これはEF400mm F2.8L IS III USM + Extender x2で撮ったものですか?」みたいなことを聞いてきてくれるんですよね。


普通ならEF400mm F2.8L IS III USM + Extender x2のフリをして処理しても正しく処理されないんじゃないか?と思うのですが、実際のところは十分に実用的な効果が得られます。


特に収差補正などとは違って、シャープネスなどはそんなにレンズに依存しないものだと思いますのでそのせいもあるのかな?と思ってます。


というわけで、DxO PureRAW3側が対応していないレンズでもPRIME XDを使う事ができるようになる方法がアルヨというお話でした。


諦めずに試用版をつかって試してみることをオススメします。


あと、ノイズの除去自体は対応していないレンズでもそのまま使用できます。

DxO PureRAWで起こる問題

上の「綺麗さについて」と関係する話なのですが、シャープネスを例にします。


恐らくPureRAW3は「ここはぼかしたままの方が良い」「ここはこのくらいシャープにした方が良い」というのをDeepラーニングに基づいてある程度は良い感じに判断していると思われます。


ほとんどの場合はそれでよいのですが、どうしてもそうじゃない場合が野鳥撮影では存在します。


「見た目とは違った感じに調整したいとき」です。

機材
Canon EOS R7 + EF800mm f/5.6L IS USM
焦点距離
800mm
SS
1/2000
F値
5.6
ISO
100
露出補正
0
撮影距離
81.9m

例えば、先日撮った遠くのイヌワシの写真。

この顔の部分なんですが、丁度光の当たり方が悪くて陰になってシャッキリしません。


ですが、恐らくAI的には「ここはシャッキリさせずにぼかしたいんだろう」と判断されるようです。

Adobeスーパー解像度も併用して何とかならないかな~と思ったのですが、明らかに頭の部分はよりシャープにしようとしてくれているものの、顔の部分はよりボケたようにしようとしています。


つまり「AIが期待通りの判断してくれない場合」は、ちょっと不安定な写真になってしまいます。


これに関しては...Stable Diffusionとかのように「人間側の要望」をうまくAIに伝えて処理してもらうような対話型のものが必要になりそうですが、写真の現像という分野ではまだ厳しそうですね。


「顔の部分が陰になってシャッキリしてないので、少し明るくしてシャッキリさせて」


といったのをAIにつたえるイメージですね。


とはいえChatGPTなどを見るに、近い将来にはそういったのも対応していくと思われます。

まとめ

去年は久々に野鳥撮影に戻ってきていろいろ試行錯誤した年でしたが、今年は概ね落ち着いてきてます。


RAW現像の進歩でこれまでの常識がいろいろ良い意味で崩れて、悪環境でもノイズが少なく、精細に撮れる確率が随分高まりました。


そんななか、先月EF400mm F4 DO IS II USMを買ったものの、EF800mm F5.6L IS USMを使っていると、綺麗に撮る場合はどうしても800mmの方を無理してでも使ってしまいますので大きなブレイクスルーにはなってないかなという感じがあります。


400mmで綺麗に撮りたい場合には非常に有効なレンズなのですが、800mmを持っている上で使うにはちょっと性能と重さが過剰かもしれないなと思い始めてるので、軽さに惹かれてRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMに買い替えるかも。


改めて、綺麗に撮るときは800mm、散策で気楽に撮るのは400mm~500mmという使い分けで、私の場合は400mm~500mmの方はある程度の綺麗さを担保したうえで、とにかく軽いことが重要な気がしてきてます :)


ただRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMはF7.1ですので、EOS R7で撮るとおそらくISO 1600~3200が当たり前になると思うのですが、それをRAW現像で確度高く救える準備が整ったというのが前提としてあります。


前にRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMを使っていた時はEOS R7だと暗いところは流石に厳しいなと思ってましたが、恐らく今なら問題ないかなと期待しつつ。


さて...あと数週間で渡りの季節ですね。


頑張っていきましょう :)