はい...たまにはコラム的なものでも。
野鳥撮影で沼にハマる理由
なんとなく店員に勧められた機材を買ってしまう
最近はブログでもSNSでも非常に綺麗で精細な野鳥写真を見ることができます。
肉眼で野鳥を見てもまずわからない、羽毛の1本1本まで解像した写真をみると、「こんな写真が撮れるなら私も」ということで野鳥撮影をはじめる人も多いと思います。
ただどんな理由で野鳥撮影をはじめる人でも、初めはどの機材を使えば良いのかわかりませんので、カメラ屋がお勧めするエントリー機を買う...というようなパターンにハマっていきます。
カメラ屋の店員はもちろん儲けるために商品を勧めますし、そもそも何百万もするような機材もある趣味のオススメを、若い店員が理解していて説明できるとは思えませんし、実際かなり適当な事を言ってます。
で、オススメされたものを買ってもあまり綺麗に撮れなくてズブズブと沼にハマっていくわけですね。
店員にあとで文句言っても「は?お客さん誰?納得して買ったんでしょ?」って感じですしね :P
EOS R1がヨドバシで1月後半の売り上げトップ...?
そういえばCanon Rumorsがちょっと辛辣な事を書いてますね :P
「いきなりヨドバシでEOS R1が1位になってるけど、100万円する2400万画素のプロ用ボディがなんで?」的な。
EOS R1は良いボディとは思いますが、私が店員ならコスパ的にアマチュアにオススメするかというと...かなり疑問です。
プロってヨドバシで買ったりするんだろうか...?
画質は機材の性能でほぼ決まるという現実
そして困ったことに、単純にとまりもの撮影をする場合、撮れる写真の画質はほぼ撮影機材の性能で決まります。
芸術点とかそういうのは加味せず、単純な解像感や色乗り、ノイズなどですね。
もちろんスキルで上下するところはありますが、適切な設定で撮る限りは誰が撮っても変わりません。
なので、ほとんどの場合は使っている機材で綺麗に撮れない場合は買い替えるしかないんですね。
努力やスキルでどうにか出来る範囲はかなり狭いです。
ボディはそうでもないのですがレンズがとにかくヤバいです、全く性能が違います。
ですので、これもまたどんどん沼にハマっていくわけです。
AF性能は購入前に試すのは困難
AF性能になってくると店頭で試しようがありませんし、店員に聞いてもまず無理です。
レンタルも高価なボディやレンズの場合は数日で数万円とかかかりますし、かなり厳しいものがあります。
そしてそもそもどの鳥のどんなシーンを撮りたいかなどはなかなか伝わらないし、伝わったとしてもしっかり答えてもらえるわけがないですよね。
Canonの場合は、基本的に1系がAF性能はトップです。
一眼レフの頃は1系とその他という感じで、1系は他を全く寄せ付けない性能を誇っていました。
もちろん、1Dと1Ds系に分かれていた頃は1D系という事になりますが。
ミラーレスでは少し変わって、EOS R1とR5 mark II、EOS R3とR7/R10..。といったようにAFの世代によってソフトウェアが一緒なので、同じ世代は大体同じようなAF性能傾向になります。
「いや、R3はR7より速いでしょ?」ってのはもちろんあるんですが、動物検出やトラッキングのアルゴリズムが一緒なので大体同じような挙動になるんですよね。
カワセミなど高速で小さい被写体を撮影する場合は、私はEOS R1、R5 mark II世代をお勧めします。
それ以外ならばEOS-1D X mark IIIの方が正直撮りやすいですね。
高価な機材だからなんでも撮れるわけではない
またさらに難しいのは高価な機材だから野鳥に向いてるわけでもないところです。
特にCanonは最上位はスポーツや報道のプロカメラマンが使う機材として位置付けていますので、フルサイズ2400万画素機が非常に多いですが、それが野鳥に最適か?と言われるとちょっと違う気がしますね。
さらに大砲レンズも高価なレンズほど奇麗でAFが速いというものではないので、非常に厄介です。
いまのCanonはRF600mm F4L IS USMがまだバランスは良いと思いますが、RF800mm F5.6L IS USMやRF1200mm F8L IS USMについては、どちらかというと「この焦点距離のレンズがこの重量で...」というコンパクトさの方が売りだったりします。
そんなこんなで、高価な機材を買っても満足できずに買い替えることになって、ズブズブと沼にハマっていく事になります。
ミラーレスは今も性能が大きく向上中
一眼レフの末期は安定していましたが、今はミラーレスの性能が向上していっているタイミングです。
例えばEOS R1やEOS R5 mark II発売前はEOS R3が非常に高かったですが、今では中古在庫はダブついてますし買取価格も相当落ちています。
高価なボディを購入して1年たらずでより高性能なボディが発売されると、欲しくなってまた沼にハマっていくわけですね。
ただ、私の感覚ではEOS R5 mark IIがあればもう必要十分な性能には達していると感じていますので、この点については一段落はしたかなという気はしています。
EOS R7 mark IIが発売されたらそれで良い気はしますけど、いつになるかわかりませんね。
メイカーがまともな作例を公開しない
ヨドバシカメラとか行くと作例の写真集のようなものを店頭で見れたりはするのですが、全然足りません。
また近年は趣味の撮影で紙に印刷して鑑賞する機会は激減しているので、印刷物よりはディスプレイでじっくりみたいですね。
まぁ写真見てもトリミングされてるのか、被写体との距離はどれだけなのかなどわかんないですよね。
ただこれだけ高額な機材でもメイカーがあまり作例を公開してくれないというのは、沼にハマる大きな理由だと思います。
それでもCanonは波動光学的なMTFを公開してくれているだけ、かなり良心的だと思いますが。
現場で聞いてもよくわからない
高額な野鳥撮影機材をバシバシ買い替えて、かつしっかりと撮影してる方はいるのですが極わずかです。
経験上では猛禽類の撮影現場か、カワセミの撮影現場ではまだ確率は高い気がします。
さらに現場でも「綺麗に撮れた?」って、知り合いでもない人に聞くのはかなり失礼ですし勇気もいりますよね。
実際カワセミ撮影現場で飛び込みを完全にとらえて撮影できている人は、10%くらいじゃないかって話ではありますね。
適当なこと言ってるオッサンや爺さんもたくさんいるので、混乱に拍車がかかります :P
私が一時期通っていた京都の川のカワセミポイントにいた人達は精鋭部隊だった気がしています :)
機材選びで失敗しがちな事例
機材は新しい方が綺麗なんだよね?
新しい=綺麗というわけではなく、古くても性能の高いレンズならば綺麗です。
また、性能の高いレンズを使う場合は古いボディのセンサーでも十分綺麗に撮れます。
ですので、実は故障のリスクを度外視するならばEF500mm F4L IS USMなどは未だにトップレベルの画質だったりします。
特にCanonはミラーレスでは重量や利便性を重視したりしてますので注意が必要です。
Extenderつけたら焦点距離を延ばせるんでしょ?
野鳥撮影をしていると、誰もが陥る罠です。
「Extenderつけたら焦点距離延びるならお得じゃん!」って話ですが、当然そんなうまい話はありません。
レンズは暗くなりますし、回折の影響も大きくなって解像力も低下します。
さらにAFスピードも精度も低下する場合が多いのでExtenderを装着して使い物になるかどうかはレンズによって変わります。
一般的に600mmくらいまでの大砲単焦点レンズならば有効に使えますが、ズームレンズでは厳しい場合が多いです。
Extenderはどちらかというと遠くの小さい被写体を大きく撮るためではなく、それなりの距離の被写体を大きく撮るために使うと効果的です。
まぁ普通に考えてExtenderつけて解決なら、長焦点距離の大砲レンズなんて売ってるわけないでしょ?って話ですね。
APS-Cは焦点距離x1.6倍なんでしょ?
これも誰もが必ず夢みる事ですね。
「焦点距離がx1.6倍になるならAPS-C使えばいいじゃん!」というやつです。
APS-Cはフルサイズを焦点距離がx1.6くらいに見える程度までクロップしたものですので、焦点距離が長くなるわけではありません。
またズームレンズなど解像力の低いレンズで使うと、残念な画質になります。
画素ピッチが狭いので撮影もシビアになりがちです。
ただ大砲単焦点レンズのような超解像力なレンズを使うならば、そのまんま焦点距離がx1.6倍にのびたような感覚で使えます。
APS-Cに変えて精細に撮るというのは正解ではあるんですが、基本的に大砲レンズつかってネということで。
レンズのAF性能ってどれもそんなに違いないよね?
これもしっかりと高速な動体撮影ができるようになってからじゃないと、なかなかわからない事だったりします。
普通にとまりものを撮る場合、大体一瞬でピントが合ってしまうので「あれ?レンズのAFは別にこれで十分じゃない?」って思っちゃうんですよね。
結局、秒間30コマの連写で数コマの違いって0.03~0.1秒とかの差だったりするので、そんなのなかなかわかんないですよね。
なのでブログやYouTubeなどでよく見かけるのは「そんなにAFスピードは低下しない」といういい加減な評価です。
実際にカワセミなどを撮ってみるとその数コマが非常に大きな違いなんですよね。
ただ、CanonはRFになってからはAFに力をいれているのでRFレンズのUSMなら全体的に高速な感じはしますね。
SDカードやCF Expressカードってどれも一緒だよね?
これも連写なりしないとわからないのですが、連写の継続時間が少し違うのと、バッファフルでBUSYになった時に復帰までの時間が全く違います。
初期化(フォーマット)の時間も全然違う事が多いですが、そこはまぁ余裕があるときにやるので。
最高峰を買うのもどうかとは思いますが、信頼できるメイカーでWrite/Read速度を比較して購入することをお勧めします。
三脚にお金かけたくないんだけど
これは逆で、三脚は良いものを買うと一生ものですのでコスパは非常に良いためお金をかけた方が良いです。
逆に安物は無駄に重かったり、全く安定しなかったり、すぐ壊れたりしますので注意が必要です。
私はGITZOを使ってますが、鉄板かなと思います。
5型は当然なのですが、3型は他のメイカーの追従を許さないくらい高性能だと思ってます。
私も初めは三脚にお金かけたくないなぁと思って安物を使ってたんですが、何度も買い換える羽目に。
雲台にお金をかけたくないんだけど
雲台は壊れないかというとそうでもないのですが、ものによって性能が段違いです。
大砲を使うなら、とまりものではジンバル雲台、動体撮影ではビデオ雲台をお勧めします。
とまりものではそうでもないですが、動体撮影では全く歩留まりが違いますので良いものを購入することをオススメします。
どれだけ高級なボディやレンズを使っても、被写体をフレームに収められなければ無意味ですので。
雲台もちょっとした沼にハマりやすい機材ですね。
野鳥撮影で沼を回避する
妥協する
まぁ、できたら苦労しないんですがある程度で画質に関しては妥協するのが1つの方法です。
ぶっちゃけ、そこまで綺麗に撮ってもスマホなんかで見るならそんなに意味ないですよね。
ただプロが仕事で使う場合は「仕事で十分な程度」で妥協できますが、アマチュアが趣味で使う場合は「どこまでも綺麗に撮りたい」となるので、私もですが妥協できない人がほとんどです。
ここで妥協できなければ数百万は確実にもっていかれますので、それは覚悟しましょう。
凄い機材を買ってしまう
結局、徐々に機材をランクアップしていくと、売却時の差額で最終的に凄い機材にたどり着いたときには大きな損をします。
とっとと「これを使えばとりあえず間違いない」と言われる高価な機材を買ってしまうのが結果的には得です。
「それで失敗したらどうするんだ?」ってのはあるんですが、このサイトでも色々と紹介はしてますし、今の時代は自分でネットで調べれば「流石にこの機材なら大丈夫」という機材はわかります。
落下などによる故障が怖いのでそこだけはしっかり保険に入っておいた方が良いですが。
趣味と割り切ってお金を使う
私の場合はどちらかというとコレです。
趣味ですし最効率を求める必要もないので、まぁお金を使うのもそれはそれで楽しいと思うことにしています。
いきなり最高機材をそろえるのは金銭的には最も効率的ですが、ちょっと趣味としては味気ないですよね。
ただ折角お金を使ってズブズブと沼にハマっているので、せめてこのブログで公開して役立ててもらおうというわけです :P
単焦点レンズを触らない
沼にハマるかどうかは単焦点レンズに手を出したことがあるかどうかで変わる気がします。
私が初めて使った単焦点レンズは SIGMAの50mm F1.4だったのですが、初めて撮った写真はズームレンズでの撮影とは全く違う息をのむような画質とボケで、大きな衝撃を受けたのを憶えています。
CanonはEF50mm F1.8のような「撒き餌レンズ」と呼ばれる単焦点レンズを発売していますが、言ってみればこれが沼への入り口なんですよね。
大三元と呼ばれているようなズームレンズよりも圧倒的な画質の写真が撮れるので、高価な単焦点レンズに手を出してしまうようになります。
これは超望遠の野鳥撮影でも同様で、画質には歴然とした差があります。
そういうわけで、単焦点レンズを触らないというのは沼回避の最善策な気もしてきましたw
他の被写体も撮る
そして、野鳥撮影は一般向けに発売されているレンズやボディで「光学的にもAF的にもギリギリ」綺麗に撮影できる分野です。
これが風景や他の野生動物などの場合はこんなにギリギリではないので、選択肢はいくらでもあります。
そういう意味では野鳥撮影は非常に厄介な分野で、ギリギリを攻めないといけないがゆえに沼にハマりやすい傾向があります。
沼にハマらない方法として、「被写体を野鳥に限定しない」というのもあるかもしれませんね。
ただ私も昔は風景なんかも撮ってたんですがどうしても飽きてしまって、この「ギリギリ感」を求めて野鳥撮影にどっぷりつかってしまってますね :P
難しいものです。
さて、ダラっと書いてしまいました。
今週末は3連休ですが、私は土曜は出勤なので探鳥に行けるのは日月だけです :P
まだまだ寒いですが、頑張って行きましょう。