この投稿について


このところ2回ほどサンコウチョウ撮影のコツなどを投稿しましたが、お問い合わせで「撮れない、助けてヘルプ!」というのがそれなりに来るので補足的な番外編記事となります。
前と同じようなことも書いてますが、参考にしていただけたら。
サンコウチョウは楽勝とか、もう撮れてる人にはあまり意味はないのでスルーしてください😂
最近は妻が野鳥撮影をはじめているのでそれを参考に、どうして撮れないのかチェック項目的に書いていきます。
探鳥チェック項目
継続的に通って傾向を掴む
やはり初めての探鳥地に行っていきなり目的の野鳥を撮るのは、ほぼ運頼みになってしまいますのでなかなか厳しいです。
探鳥は日、週、月、年…といったような単位で被写体の行動傾向を把握して、比較して予想をたてて行うものかなと思ってます。
毎日探鳥に行けるならそれが最も確実ですので、リタイアして毎日通える人は間違いなく有利です。
1週間たつと先週の傾向は既に役に立たない場合が多いので、現役組には珍鳥はなかなか難易度が高いですね。
現役組は土日連続で探鳥したり、先週の探鳥と比べて継続的に状況を把握することが非常に大事になってきます。
1日の中で行動傾向を把握して出会えるという事もありますが、この時期は行動が目まぐるしく変化するので、継続的に通って傾向を掴まないと厳しい鳥が多いですね。
たとえ誰かから詳細な情報を聞いたとしても、1週間後ではもう遅いし行動も変わっているというケースも多いのではないかなと。
地図を活用する
国土地理院(https://maps.gsi.go.jp/)やその地図を使ったサービス(YAMAPなど)では、等高線や山道もある程度描かれた地図を見ることができます。
探鳥地の駐車場のあたり…とかそういう漠然とした位置ではなく、目的の鳥の鳴き声を聴いたり姿をみかけた場所は地図でしっかり確認して、可能なら位置と時刻をプロットして傾向を掴みましょう。
YAMAPはたまに使いますが、GPSと連動してポイントを記録できますしオフラインでも地図をDLして使えるので便利ですね。
GoogleMapも航空写真を見れますので、どこに何があるかがわかりやすくて重宝します。
「ああ、この鳥はこの沢に沿って移動してるんだな」とか、「ああ、この杉林の中を巡回してるんだな」とかがわかりやすくなって探鳥の精度があがりますし、予想もたてやすくなります。
目的の鳥の生態を知る
鳥の鳴き声や大きさなどはもちろんですが、何を食べる鳥なのか、一般的にどういう風な生活をしている鳥なのかなど目的の鳥の知識を深めると探鳥の精度は確実に向上します。
サンコウチョウは英名で「Japanese Paradise Flycatcher」で、JapaneseやParadiseは置いておいてFlycatcher、つまり飛んでいる虫をバクバク食べる鳥ですね。
で、杉や檜の高い場所で営巣することが多くて、沢や谷沿いのうっそうとした林を好みます。
そして縄張りを形成する鳥なので巡回しますし、ある程度の範囲でツガイ単位で生息しているのねと。
こういったことはネットで調べたりちょっとAIに聞けばすぐわかります。
朽木で撮る場合でも完全にこの特徴は合致していますので、被写体の生態は調べる癖をつけましょう。
鳴き声を確実に識別する
探鳥地で他のカメラマンがサンコウチョウが近くにいないかキョロキョロ探しているのに、自分は全く気づかなかった場合には鳴き声を聴きとれていない、または識別できていない可能性があります。
サンコウチョウは大きくて通る声で鳴きますので、50m、ひらけた場所ならもっと遠くからでも識別できないと厳しいです。
前の記事で書きましたが、もうこの時期になるとサンコウチョウは「グェ」「ピヨロピー」「ホイホイホイ」の「グェ」しか鳴かない事がかなり多いので、断片でも確実に反応できるように気を配りましょう。
探鳥中に楽しく話しながらでもいつでも気を配れるようになると「!今、あの辺で鳴いた!」というような感じの会話が増えてきてちょっと面白いですよ😂
急に空気が一変して一緒に全神経をとがらせて探鳥するのも、醍醐味ですね。
ただサンコウチョウはもうしばらくするとほとんど鳴かなくなりますので、撮影難易度は爆上がりしますので、早めに。
視界内で動いた鳥は確実に認識する
鳴き声が聴こえて立ち止まって探している時に他のカメラマンと一緒になる事があるのですが、目の前の距離20mくらいをオスが飛んでも、その姿をとらえられていないケースがよくあります。
とまっている鳥に気づけないのは仕方ないのですが、鳴き声から大体の範囲がわかっている状態で、動いた鳥の姿を捉えられないようでしたら目の使い方や認識の方法をチェックした方が良いかもしれません。
よくあるのが鳴き声がして「あのあたりにいるはず」と思って、正確な場所を把握しないまま焦点を合わせてしまうケース。
具体的にはファインダーを覗いて探したり、双眼鏡で探したり、肉眼でも狭い範囲にフォーカスしてしまったり…ですね。
鳴き声から正確な場所を判断するのは熟練者じゃないと難しいので、「視界内のどこかにいるという状態までは担保」して、あとは初動を見逃さないというのが大事なんじゃないかと思います。
試行錯誤する
なんとなく同じ方法で探鳥するだけでは、なかなか目的の鳥を撮影できる確率は向上しません。
上に書いた事項は結局のところ「常に試行錯誤して探鳥する」ことができていれば、自然と改善していける内容です。
仕事みたいで嫌ですがやはり撮影の成功率を向上させようと思うと、趣味でも本気で試行錯誤する必要があります。
「~が良くなかったかもしれないから、次はこうしよう」という試行錯誤の積み重ねが、長い期間を野鳥撮影していると撮れる人と撮れない人の差になるのかなと思います。
探鳥スキルが高い人と一緒に探鳥すると、ガチでエスパーみたいに見えて怖いですね😂